<終了しました>仙台クラシックフェスティバル2015 街なかコンサートin仙台トラストシティ 「クレモナからの贈りもの」レポートvol.2
仙台の秋の風物詩のひとつ、「仙台クラシックフェスティバル」は、地下鉄沿線のホールを中心に、仙台の街じゅうがクラシック音楽にあふれる一大フェスティバル。「せんくら」の愛称で市民に親しまれ、今年で10周年を迎えます。
10月2日から4日までの3日間で開催される100近いプログラムの中に「街なかコンサート」があります。これは、音楽を通じて震災復興支援を行う「公益財団法人音楽の力による復興センター・東北」が企画運営するもので、被災地域の音楽団体によるコンサートです。演奏する人も、演奏を聴く人も、音楽が本来持っているみずみずしい力にふれて、元気になってほしいと願って開催しています。
10月3日(土)に仙台トラストシティにて開催される、せんくら2015街なかコンサート。仙台、福島、相馬、異なる3つのジュニアオーケストラのメンバーが1つのチームとなって演奏が行われる予定です。
8月初め、仙台フィルのヴィオラ奏者・長谷川基さんの指導による全体練習が仙台で行われました。それから約1か月を経過した9月中旬、長谷川さんはそれぞれのチームのもとを訪れ、個別練習の指導をして来ました。
FTVジュニアオーケストラは福島テレビ本社に拠点を置き、常設の練習場を持っています。土曜日の午後、ヴァイオリン2名、ヴィオラ2名、チェロ1名の5名が集合しました。このうちのヴィオラ2挺がクレモナから贈られたものです。モーツァルトの『ディヴェルティメント』やレスピーギ『シチリアーナ』などを練習しました。長谷川さんはジョークや例え話を交えながら、曲のイメージや演奏の仕方をわかりやすく説明します。少人数なので弓の持ち方や楽器の構え方など細かいところまで指導が及びました。
翌日は相馬へと向かいました。相馬子どもオーケストラからはヴァイオリン4名、ヴィオラ1名、チェロ2名の7名が参加します。このうちヴァイオリンとヴィオラ、計5挺の楽器がクレモナから寄贈されたものです。全体合奏の曲とチーム演奏の曲をおさらいしました。「ほかの人の音をよく聴こう」「呼吸を合わせよう」「イメージや方向性を持って」「ひとつ一つの音を大切に」など、音楽の演奏だけでなく仕事や生活の場面で参考になりそうなキーワードがたくさんきこえてきました。
面白いことに、同じ弦楽器と言えどもチームによって音がまったくちがっています。福島のメンバーの演奏は丁寧で慎重、かつ美しい印象があります。相馬メンバーの音は元気で活きがよく、弾んでいるように感じました。これらの個性を活かしながら、全体としてどのようなハーモニーを作り上げていくのかが楽しみですね。
福島と相馬からのゲストをお迎えする立場となった仙台ジュニアオーケストラメンバー10名は、その責任を演奏へのエネルギーに変えて、練習に励んでいました。豊富な演奏経験に基づく安定感のある音が彼らの持ち味となることでしょう。
本番まであと少しとなりました。若き音楽家たちの努力の成果をぜひ聴きにいらしてください。
せんくら2015街なかコンサートin仙台トラストシティ
「クレモナからの贈りもの」
【日時】10月3日(土)14:30~15:15
【会場】仙台トラストタワー 1階エントランスホール〔80席/入場無料〕
【出演】FTVジュニアオーケストラ有志、仙台ジュニアオーケストラ有志、
相馬子どもオーケストラ有志、長谷川基(仙台フィルヴィオラ奏者)
【お問い合わせ】公益財団法人音楽の力による復興センター・東北 022-797-0233